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HAMADA'S HOUSE
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擁壁と庭

■ DATA

場      所 : 大阪府寝屋川市
工      期 : 2024年3月~8月
構造規模 : 木造2階建て
敷地面積 : 198.33㎡
建築面積 : 98.46㎡
延床面積 : 138.20㎡
費      用 : 4000万円代

内部へ侵食する庭園

場所は大阪府郊外、40年前山林を切り開き総戸数40戸の住宅用地が造成されました。エリア内の高低差が大きいため、4m近い間知擁壁が連続する街並みを形成していましたが、いつの間にかこれを嫌忌した人達が独自の「擁壁カバー工法」なるものを編み出し、街並みを変化させていきました。この「擁壁カバー工法」とは、既存の間知擁壁を残したままその前面に鉄骨やRCで新たに垂直の壁(土圧は負担しないので)をつくるもので、道路からの見え方を変化させると共に、間知擁壁の傾斜(70°)によって減少する敷地有効面積を増大させる効果があります。本プロジェクトは、このエリアに唯一残された更地に計画した住宅兼事務所です。

計画にあたりまず考えたことは、街独自の「擁壁カバー工法」を真似するのではなく間知擁壁を街の歴史としてとらえ残すこと。ただ一方で土地の有効面積は確保したい。そこで、擁壁上部にRCによる人工地盤を跳ね出し、ここに人工的な庭園を造ることとしました。庭園と住宅内部の床仕上げを統一することで庭園が内部へと浸食していく。サンルームからLDK、そして吹抜を通して2階のフリールーム、北側バルコニーへと、階をまたぎながらワンルーム的に繋がる構成としました。ここでは、サンルームと2階フリールームが中間領域の役割を果たすことで、光と風がやわらぎ、内部と外部をゆるやかに繋ぎます。
何かと窮屈な日々が続く昨今、外部と内部、そしてその中間、ここちよい居場所を選びながら生活するという遊牧民のような日々を送ることができます。

設  計:HAMADA DESIGN
構造設計:IN-STRUCT
布  地:jyu+
施  工:トータルトーク
植  栽:緑空間制作所
撮  影:笹倉洋平

  • 上空から。古い擁壁と新しい建築。

  • 上空から

  • 擁壁から跳ね出す庭。

  • 木塀は杉材で曲面を構成。

  • 道路正面から。木の塀が内部のプライバシーを守る。

  • 階段上から。木の手すりと外壁は同じ杉板仕様。

  • 玄関前のポーチ。

  • 庭から内部を見る。

  • 広くなっているのが跳ね出している庭。

  • 玄関は隠し扉になっている。

  • 玄関内部。下足箱は造作。

  • 玄関から打合せスペースを見る。

  • 玄関からサンルームへ。吹抜を通して2Fへ繋がる。

  • LDKからサンルーム、庭を見る。

  • サンルームからキッチン方向を見る

  • LDKから階段で2Fへ。階段は鉄骨階段。

  • 玄関方向を見る。

  • キッチン。ogumaさんの特注木製キッチン。

  • ダイニングテーブルも特注。

  • 2Fフリールーム。

  • 2Fからサンルーム側を見る。

  • 2Fからサンルーム側を見る。

  • 2Fの主寝室。

  • テレビは壁掛け。

  • 造作の洗面台。

  • 鉄骨階段。

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