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HAMADA'S HOUSE
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House A

■ DATA

場      所 : 大阪市阿倍野区
工      期 : 2010年8月~2011年3月
構造規模 : 1階鉄筋コンクリート造、2,3階木造
敷地面積 : 59.34㎡
建築面積 : 45.82㎡
延床面積 : 128.28㎡

都心の狭小住宅、ローコスト、ライブスタジオ、混構造

■背景・敷地環境
敷地は大阪市阿倍野区。天王寺駅から徒歩10分という好立地でありながら、1本路地に入ると昔ながらの長屋住宅や商店が軒を連ねる下町情緒溢れる街並みの中に位置します。この密集地にぽっかり空いた18坪の狭小地、そこに明るく開放的で、趣味を満喫できる住まいを計画しました。

オーナー家族は、揃って大の「音楽好き」でノコギリ演奏の世界大会5位の実力の持ち主。そんな家族が新しい住まいに求めたのは、大好きな音楽を十分に楽しめる趣味室(ライブスタジオ)。定期的にバンド仲間を集めて演奏会を行い、空いている時にはギャラリーとして利用。時には仲のよい友人を招いてバータイムも楽しみたい。アクセス良好な土地柄を最大限に生かして、趣味を通して人と人との繋がりを創出できるような、そんな空間が求められました。


■建築プラン
用途配分としては、1階を「趣味室(ライブスタジオ兼ギャラリー兼バー)」として、2,3階を居住スペースとしました。ライブスタジオにはおのずと高い防音性が求められるため、1階はRC造とし、ドア、サッシ、換気扇も含めてとにかく防音に配慮しました。一方で居住スペースである2,3階については木造在来工法としてシンプルな空間構成とすることによりトータルでのコストダウンを図りました。

■写真説明
#ファサード
RC打放しと吹付け材によるファサード。ステンレスの出窓がアクセントを加えます。

#1階趣味室
建物幅を最大限確保するため、コンクリートの型枠には隣接セパを使用した外断熱打込み工法としました。その結果、内部の壁、天井はRC化粧打放しに。床には中古品の杉足場板フローリングを使用。内部のシーンにフレキシブルに対応できるよう、照明は器具、向き、照度を調節できるようにしています。

#2階
2室と水周りを設けました。隣家がせまる2階には光が入りにくいため、トップライト、サイドライトを設けてできるだけ自然光による採光を確保しています。床は赤松の無垢フローリング。

#3階LDK
ローコストを実現するため、2,3階の居住部分は木造のシンプルな空間構成としました。 特に3階は建具が1枚もないワンルーム空間です。柱、梁と共に筋交いを露出させることによって空間的、視覚的な広がりを確保しています。床には赤松の無垢フローリングをあえて無塗装で使用。年月を経ることによって色艶が変化するので、材料の経年を楽しむことができます。

#ライブ風景
月に1~2回、オーナーのバンド仲間が集い演奏会を行います。過去のライブでは、立ち見も出る超満員となり、大盛況に終わっています。


撮影/笹倉洋平

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